2019/3/8 名古屋ウィメンズマラソン2019展望C
前田は完全復活へのステップとなるか<BR>
「2時間24〜25分台で来てくれたら」(林監督)
会見(8日)の前田彩里(ダイハツ)は慎重な話しぶりだったが、強い気持ちを垣間見せた感じだった。
「今回はわりと余裕を持って練習を消化できました。余裕度という点で、苦しさがなくはなかったですけど、そんなでもありませんでした。自信をもって今の力を出し切れたら」
前田のマラソン全成績は下の表の通り。
前田彩里のマラソン全成績
回数 |
年 |
月日 |
大会 |
順位 |
日本人 |
記 録 |
1 |
2,014 |
1.26 |
大阪国際女子 |
4 |
2 |
2.26.46. |
2 |
2,015 |
3.08 |
名古屋ウィメンズ |
3 |
1 |
2.22.48. |
3 |
2,015 |
8.30 |
世界選手権 |
13 |
2 |
2.31.46. |
4 |
2,018 |
3.11 |
名古屋ウィメンズ |
15 |
11 |
2.30.54. |
5 |
2,018 |
8.27 |
北海道 |
2 |
2 |
2.30.56. |
佛教大4年時の初マラソンは、先頭集団では走らなかったが、学生記録を5分00秒も更新した。ダイハツ入社1年目の2度目のマラソンで、2時間22分48秒まで記録を伸ばし、“前田時代”到来を予感させた。
だが北京世界陸上前から痛みが出始めて、翌16年3月に左足首を手術。リオ五輪は断念せざるを得なかった。
長期間のリハビリを経て、昨年の名古屋で2年半ぶりにマラソン出場したが、11kmで先頭集団から後れ、2時間30分54秒の15位。8月の北海道マラソンでも2時間30分54秒の2位と、MGC出場資格に届かなかった。
今年1月の大阪国際女子マラソンは右アキレス腱の痛みで出場を回避した。
しかし今大会を迎える状態を、ダイハツ林清司監督は「2年間くらいあった痛みの心配がなくスタートラインに立てることが一番良い」と言う。
名古屋ウィメンズマラソンの場合はMGC出場権獲得条件は日本人1〜3位(すでにMGC出場権を得ている選手を除く順位)で2時間28分以内、4〜6位で2時間27分以内が条件。林監督は「心配していますよ」と笑いながら付け加えたが、「去年はあの状態で2時間30分台。今年は2時間24〜25分台で来てくれたら」と期待する。
「元々の能力が高いので、40km走とかも最後に(1km)3分30秒台にスッと上がる」
昨年の名古屋前は1000m×5本のタイムでも3分30秒かかったという。大会直前に貧血にも悩まされ、欠場も考えていた状態だったのだ。
ただ、以前と同じ動きに戻っているかといえば、「だいぶ近づいて来ている」という段階。「それはまだトラックの練習をしていないから。MGCまでにはトラックの練習もして、(5000mなら)15分30秒、(10000mなら)31分台の力をつけて臨みたい」
残り2日間で動きが変われば別だが、今回は高速の展開はしないのではないか。余裕があれば後半にペースを上げ、結果的にMGC出場資格も余裕でクリアする。
名古屋は本格復活へのステップという位置づけだ。
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